ロドリグの昔話 

2月のアリルの谷で、仲間入り後の夜の会話です。
すごく好きな会話だった&色々考えたこと。

ロドリグの昔話:グレンのこと

夜更けの修道院で、ロドリグと遭遇。
出来の良い長子グレンのことを聞きました。15歳で騎士叙任だそうで!! やっぱり超優秀だった……!

以前最年少なら「ダスカーの悲劇のとき15歳くらいの従騎士」だと思っていましたが、まさかの「15歳で騎士叙任」でした!!
本当にものすごく優れた人だったんだね。フラルダリウス家の遺伝子どうなってるんだ(笑)
そうなるとグレンの年齢ですが、15歳で騎士叙任かつ最初の初陣がダスカーの悲劇だった場合、生きていればシルヴァンと同じか一つ上ですね(※享年15歳)

勝手な妄想ですが個人的には享年17~18歳くらい? と思ってました(※ただ本当に15歳で初陣だった可能性もある)
初めてディミトリ、フェリクスと会った頃(5年前)の彼らと同じくらいの年齢では? と、彼らと同じように未来を信じて、道を進もうとしていた矢先の頃だったのかなって。

あと何となくだけど、これ本当にディミトリをかばって死んだ……文字通り身体を張って、盾になったって気がしてる。
いや遺体は酷い状態だったってディミトリが語ってるし、剣と鎧しか戻ってこなかったそうなので。
まだ戦闘慣れしてない若い騎士っていうのと、間柄を考えたらダスカーの悲劇のときは、陛下ではなく、年の近い友人でもあったディミトリの護衛についていた、って方が自然な気がするから……。

★最年少時15歳妄想もしてみました。→ 記事:グレンのこと

 ロドリグの昔話:ディミトリのこと

続いてディミトリのことを託されました。
「貴殿には最後まで、あの方の復讐心を否定し続けてやってほしい」
……心強い言葉に安心したよ……ようやく真っ当な反応に出会った気がする(笑)

ディミトリの変貌にも動じず、快活に応じた鉄の心臓ロドリグですが、そんな彼でもディミトリの意志を尊重する=復讐に邁進するディミトリに諫言は出来ないようで。
一応、王国を先に平定するよう提言はしましたが、聞き入れてもらえないとなれば、自身も陣列に加わり、殿下を最後まで見守る腹づもりのようです。
――亡き友との約束があるとのこと。

フェリクスは、親父殿の酔狂!と呆れてましたが……この会話を聞いて、もしかしてロドリグはロドリグで、ギルベルトとは別の負い目や後悔が、ディミトリに対して(フェリクスにも?)あるのかなと思いました。
というのも、ロドリグ合流後の一連の会話や対応を見て、もしかしてロドリグはディミトリが復讐に囚われてしまうことを、ある程度予想していたかもと思ったので。
フェリクスと同じように、ディミトリも身近な者の死を忘れることが出来ず、死に拘泥して育ってしまうかもとしれない、と危惧していたかもなあと。

* * *

ロドリグは「刎ねた首も遺体も見せないとふざけたことをぬかす」ゆえに『殿下が生きている』ことは、フェルディアの変後から確信していたと思います。
でも仮に殿下が生きているなら……なぜ自分の下に来ず、単身で王国将軍の惨殺を行っているのかって話になる。
生き延びたのに、フラルダリウスに駆け込んで国を取り戻そうとしなかった(別のことを優先させている)時点で、ディミトリが荒れていることは察したかもしれないなあと。
あの快活な対応は、生来の精神の柔軟さ強靭さだけではなく……どこかで予測というか心構えができていた者のようにも思えたので。

※ギルベルトが身を寄せていたので、ロドリグも多少は事情を知っている&報告や情報も受けていたはず。

* * *

そこまで状況が見え、ディミトリに対して言えるロドリグが、何でディミトリの復讐(国をすべる主君としては間違っている選択)を否定しないのか不思議だったんですが、深夜の会話で納得したというか。
15歳で騎士となり若くして死んだ息子グレンのことを語った後、ロドリグは「フェリクスに悪いことを言った」と告げ「今の殿下を愚かだと叱ってやれるほど、強い人間じゃあない」とも言って。

死者の言葉を聞くすべはなく、だからこそ死者の存在は呪いのように、今を生きる人間を縛りつける。
彼らを大切に思えば思うほど、雁字搦めになって、苦しむことになる。

このロドリグの言葉は、もちろん自分自身と、自分の中のグレンを指しているとも思うんですが、それ以上に「若き死を、同じ年頃――それ以下の少年たちに『騎士の死』として背負わせるべきではなかった」という後悔かもしれないなあと。
グレンの死後のフェリクス、ディミトリの姿を見て、そう思ったかもしれない。
フェリクスとディミトリは、既存の騎士像を否定する点では一致してるので。そして両者ともその価値観は、グレンの死(=ダスカーの悲劇)に端を発してるので。

死んでしまった者と今を生きている者、大事なのはどちらと思うか。
あのとき、どちらのことを本当に考えてやらなければならなかったのか。
死者の存在が『呪い』になるとも言うなら、感受性の一番強い思春期に目の当たりにしてしまえば、呪いは強く濃くかかるよね。

……ロドリグは「叱りつけて、立ち上がらせてやるのが我々大人の役目」と知りつつ「散々偉そうなことを言いながらも、私は大人失格」とも言っていて。
ギルベルトとは別の意味で、ロドリグもまた、今の自分にその資格がないと思っているのかもしれないし、この深夜の会話を聞いて、確かにこれじゃロドリグも殿下に『復讐に身を焦がすな』と強く言えないなとは思ったので。
だからこそ、教え導く『先生』として殿下の前に現れた主人公に、役目と期待を託したのかな。

ダスカーの悲劇は出来事の衝撃もだけど、間接的にも影響が大きかった……。
ギルベルトとロドリグに関しては、その後のディミトリへの対応がまずかったかなと思ってる。
いくら王の血筋とはいえ、13歳の少年なら心のケアは必要だよ……。
今のディミトリの心の病みはそのときの傷が膿んだものだし、見事に呪いにかかってしまっている状態だし。