タルテュバの最期
ティアナ生存時パターン
【 リューガ邸 】
★発生条件:
1)空中庭園イベントを見ている
2)サムスンに憑かれたセルモノーを倒している
ティアナ:
これは…、主人公様。
あの…ティアナのお願いをきいてください。
寝室に…来ていただきたいのです…。
【 リューガ家寝室 】
ティアナ:
タルテュバ様です。
倒れていらっしゃったのを
お運びしたのです。
ええ。あのとき確かに
タルテュバ様は怪物になられ、退治されました。
それが、どういうわけか、
元のお姿で、衰弱しきって発見されたのです。
タルテュバ様のお体はボロボロです。
日頃から大酒を飲まれ、不摂生をしていたこともあって…。
その上、今までどうなさっていたのか。
とにかく、衰弱がひどくて、かなり危険な容態です。
意識も…戻りません。
いつどうなってもおかしくないのです。ですから…。
タルテュバ様の療治のため、
生命のかけらを分けていただきたいのです。
…主人公様、確かにタルテュバ様は善人ではありませんでした。
ですが、こうなってしまっては
もう、悪人も善人もありません。違うでしょうか?
主人公様、どうか、お願いします…。
★ 生命のかけらをタルテュバに与えない
ティアナ: 主人公様?
〔 主人公部屋を出て行く。イベント終了 〕
★ 命のかけらをタルテュバに与える
〔 主人公はタルテュバに生命のかけらを与えた 〕
主人公:
(…でも衰弱がひどい。
生命のかけらを与えても治るだろうか…?)
〔 二人、部屋を立ち去ろうとする 〕
タルテュバ:
…待て。
…俺みたいな奴をなぜ、助ける?
…俺で…さえ、俺自身で…さえ、
俺のことが…好きに…なれなかった。
だのに…なぜ…? ゲホッ、ゲホッ!
〔 二人、寝台に戻る 〕
タルテュバ:
…あ…あいにくだな。
まだ…もうしばらくは…くたばらん。
もう少しは…持つ。フフ…。
き…気休めか…?
フン…、おれはもう貴族様では…ない。
へつらう…必要は…ゲホッ! ゲホッ!
…なぜだ? なぜ?
打算も見返りもなしにやさしくなれる?
どうして、 …俺みたいな…奴に?
ティアナ…あ、あんたもだ。
…俺は…最低な…男だ。
いとこたちの…ような才もない。
愛されるところなど…何も…ない。
ティアナ:
そんなこと…。
タルテュバ:
な、慰めはいい。
俺だって、自分のことぐらいはわかる。
人より優れたところなど…家柄だけ。
俺は、だからその家柄だけすがって
かろうじて自尊心を維持していた。
はたから見れば、イヤな貴族の典型だ。
俺はそれがわかっていたから
いっそう荒れずにはいられなかった。
酒におぼれ…弱いものをいじめ…
乱暴を働く…皆、俺を嫌いぬいていた。
そんな俺を…誰よりも俺が憎んでいた。
…意外か? 俺に内省力があったなど…
誰でもない自分のことだ、気にしない…わけがない。
ティアナ…にだって俺はひどいことをした。
覚えているだろう?
俺には助けられるだけの価値はない…
…だのに、なぜ…あんたらは、俺を助ける?
俺は…何もかも…決めてかかっていた。
憎けりゃ、殺したくなる。
愛されない奴は憎まれるしかない。
…そう、思っていた。
だが、すべては…人の心にあるんだな。
人の心が状況を変えるのだな。
俺も…、変われたのかもしれない。
もっと早く…このことに気づいていれば
俺が…お前の…ゲホッゴホッ!
き、気づいたときには時間切れか…。
ふ、ふふ…、俺らしい…。
…あばよ。…ロクな人生がじゃなかった…が…。
おかげで…少しは救われ…た…。
〔 タルテュバ事切れる。セバスチャン入室 〕
セバスチャン:
タルテュバ様…。
【リューガ邸応接間】
ティアナ:
人の死に慣れてしまったのでしょうか。
幼いときから一緒にいた方の死なのに、
感慨がありません…。
でも、安らかなお顔でしたね。
セバスチャン:
タルテュバ様も思えば、おかわいそうな方です。
何かにつけて、いとこのレムオン様、エスト様に比べられ、
あげつらわれてきたのですから。
タルテュバ様も貴族に生まれなければ…
このような悲しいことにはならなかったのかもしれません…。
タルテュバ様…。
ティアナ:
主人公様…少しだけ、一人にさせてください…。