レムオンのタイムリミット
初回プレイではスルーだったリューガの変。
二度目の麦畑発で真相を知ったときの衝撃ったらなかったです。何も知らなければただの愚策なのですが、裏の事情を知ったら、それなりに納得できたのでした。
ところで公式設定資料集やエンサイクロペディアには、ダルケニスの特質が記されています。
それを読んで、さらにリューガの変の動機について思ったこと。
このクーデターの要因の一部に、精気が不足したダルケニスゆえの不安定さがあったと書いてあったのを発見しまして。
私怨は感情の問題ですが、精気の不足は生理的な問題で、これは本人にもどうしようもない話と言うことになる。これは、あまりにも切ない。
そしてもう一つ、ダルケニスの特質。
ダルケニスって長寿の生き物で、成人すると成長が止まってしまう、ということ。
ダルケニスの成人年齢は20歳だそうです。
あれ? レムオンって、いくつだったっけ!? → 設定年齢20歳。
この年齢設定は冒険開始時のものだとして、だいたい『リューガの変』は3~4年後くらいに起こると考えて、レムオンは20代前半だと仮定します。となると、そろそろ危険ゾーンだったんですね。
「兄さんって、年をとってもあまり変わらないよね」という言葉がまだ軽い冗談で通用している時期。けれどおそらく、あと少しで通用しなくなってくる限界値に近づいていたんじゃないだろうかと。
少なくとも、もうあと5年ほど本来なら30歳というところまで近づいてしまえば、この10年間ほとんど姿の変わっていないように見える若い兄の姿は不審がられたと思います。
それにそのころには(もしかして冒険途中の段階ですでに)エストが成長して、レムオンを追い抜いてしまうんですよね。
レムオンは種族の知識については知らないことが多かったようなので、寿命のことを知っていたかどうかは不明ですが、薄々感づいてはいたんじゃないか。だから「時間がない」と思っていたのかもしれないです。あの出来事に関する限り、レムオンの行動は愚挙と性急さ――焦慮を、強く感じさせるので。
もちろんダルケニスだとばれたことが一番の引き金だったとは思うんですが、精気のこと、寿命のことなど、ダルケニスであるがゆえの特質が全部マイナスに出たのが、あの出来事だったのだろうと。
エストに家督を譲るという内心の決意も、義理の母の恩に報いるという理由だけではなくて、そうせざるを得なかったからじゃないかなと思うのです。クーデター決行の理由には、エリスとのやりとりだけではなくて、これらダルケニスの寿命(というより成長停止)へ懸念もあったんじゃないのかなと。
どちらにしろレムオンは、リューガの変を起こしていなくても、あと5年の間にリューガ邸から姿を消したと思います。
親しい人の前から去って行方をくらませたんだろうな。