施文院の掟
以前ツイッターであげたもの。エルファス・ツェラシェル部分だけにしてまとめなおしました。
エルファスは「レイヴンには手を出さないで」というノエルの言葉に免じて、レイヴンから手を引く。これはノエルの言葉に姉を思い出したからで、たぶんこのときのノエルの態度が、ネメアに連れ去られるときの姉の様子に似ていたんだろうと想像してる。
一方でエルファスは、ホシュア暗殺請け負う条件として双子の解放を要求してきたツェラシェルには、その態度を不遜として呪いをかけてる。これ、ツェラが「自分一人だけが抜ける」だったら呪いはなかった気がする。
「妹たちを施文院から抜けさせる」だったから、エルファスの逆上を買ったんだろうと。自分が姉に対してできなかったことを、ツェラシェルは妹に対してやろうとしている。そのことへの嫉妬があったのかも。
それまでただの操り人形だったはずのものが、(精神操作を解いた途端に)自分の意思を示した。しかもそれが自分のことではなく「妹たちを」解放しろだったっていうのは、予想以上にエルファスに堪えたのかも。エルファスはどこかで姉を解放したい、でもできないという無力を感じていたんだろうと思う。
そもそもツェラに呪いをかけることとなった父親の暗殺は姉のため。 だから、指摘されたくないことを無意識とはいえ指摘する形になってしまったツェラにかけた呪いが、あれほど容赦のない、苛烈なものになったんだろうと思ってる。まだ幼かったから抑制も効かなかったんだろうな。
ツェラが施文院抜けたのが10代。(計算したらおそらく11歳より前)
その年齢で自覚症状ありの致死宣告は、相当きつい。それを側で見ることになった妹たちも同様で、その「辛さ」をエルファスは味あわせたかったんだと思う。
「憎い」というより、本来あった生き方から「自由になることが許せなかった」のかもしれないし、たぶん「自分と同じ道を歩め」とどこかで思ったんだろうなあ。
そしてツェラと双子は当時12歳冒険に出始めたばかりのゼネテスと遭遇。ツェラはゼネテスの仲間になり、双子はエリスに預けられる。 まだ幼い双子の生活や養育の問題もあったろうけど、ツェラと双子が離れたのは、呪いの進行していく自分の状態を、幼い妹たちに見せたくなかったんだろう。
ツェラが自分の症状を隠すため、目くらましの術を使い始めるのは、もしかするとゼネテスと別れた後(トリジル以降)なんじゃないかな。かつて離れた双子と今は一緒にいるのは、残りの時間を共に過ごそうと思ったのと、もう一人で行動できる身体じゃないからだよな……。
エルファスが呪いの完了まで何年想定してたか分からないけど、ジル世界の成人年齢が15歳として、それと同じくらいの歳月=10~15年かけて完成する死というのは、
死を司る施文院の神官らしい時間の計り方だと思う。死がごく間近にある世界にいた人なんだよな…イズもエルファスもツェラシェルも。
(追記:あ、でもトリジル時点ですでに神官服なんだねツェラ。
ただ身体症状隠すための魔法というのは、自分より周囲のためのものなので、
そういう配慮を11歳当初からやっていたら、あまりに切ないし辛いので個人的には途中からであって欲しいと思ってる)