MEMO

『Over the moon』パスワード解除&裏話 編集

『Over the moon』も同じくメニューページのパスワード解除しました。
せっかくなので、こちらも裏話を。

個人的には裏話というか、思い入れ語りに近いです。
作品は大人向ですが、裏話はそういう話よりは……もっと観念的な部分の話になりました。

長いです。夢と妄想と願望が全開です。好きに語りました(笑)
(これ、実質うちのミイス話のエンディングでもある気がするので)
 

タイトルのこと

『Over the moon』
=大変浮かれて、非常に幸せで、という意味だそうです。

ぶっちゃけて言えば、セラミイスの初夜話なんですが……書きたかったのは文字通り『一線を越えるということ』だった気がします。

関係性をあらわす線の引き方・その線の越え方について、この二人は相当迷う、というのは想定してました。でも答えは保留状態のまま、特に考えたことがなかったのです。セラの独白はそのまま私の悩んでた部分です(笑)

(実は書いている間も答えが分からず、最後の最後で「これくらいで崩れるほど脆い関係ではない」みたいなことをセラが言ってくれて、うわーそうか!と思いました)


ただ、漠然と脳内の構想として、もし二人が一線を越えるとしたら、ゲームクリア後(セラEDの台詞があるので、クリア後しばらくしてから)のことだろうというのはありました。
そして、クリア後の世界はどうなっているか、と考えたとき、他のキャラは自分たちの力で、自分の道を生きていて欲しいな、と思いました。

できれば無限のソウルも、その流れの中の一つとなって、普通の未来を歩いて欲しいなとも。

上手く言えないのですが、バイアシオン大陸外へ旅立つ「その後」もある――ある意味これは大陸に居場所がない=追放という意味とも思います――中で、もし無限のソウル自身が「自分のために可能性の力を使える」としたら、それは「この大陸で、他の皆と同じような存在として生きていく」ことだろうという気がしていました。

これは、無限のソウル単体ではできない気がしています。
無限のソウルが「相手の可能性を引きだして死亡させない(=世界に留まらせる)」存在だとしたら。「無限のソウル自身の可能性」は、誰が引き出して、この世界に引き留めてくれるのか。

それは一番そばにいて、ともに未来を歩もうとする相手だろうと思いました。
だからルシカの場合は、セラを得ることで、普通の人生が送れるんじゃないかなと。


『月を越える』という英熟語が『飛び抜けた幸せ』という意味だと知ったとき、一種の啓示のような気がしました。こういう風に線を越えるんだなと思ったし、こういう形で越えられたら大丈夫だろうなとも思いました。
単純なことですが、崩れることを恐れるのではなく、幸せになるために線を越えるのだ、と気づけたというか。

線を越えたら終わりではなく、線を越えることで、自分が所属したいと願う世界に居場所を得られ、未来を造っていくことにつながる(線を越える=セラを手に入れる=人生を送るということでもあるので)。そういう越え方であれば、関係性は崩れず、次の段階へとそのまま移っていく気がします。

 

セラのこと

と今なら主題を言語化できますが、執筆はしんどかったです。全然形にならなくて。
最初の構想段階では、もう少しセラがぐいぐい押していく感じだったのですが、書いてみたらセラが動かない。そんなに嫌か?と思いました(笑)

ですが、ふと「セラはミイス主が『好き』なのではなく『大切』だから、強引に運ばないんだな」と気付いたら、するすると形に収まりました。正直セラが徹頭徹尾紳士で面倒見良くて、最後まで自分の『我』も『欲』も殆ど出さなかったのが、書き手としては意外だったんですが……理由が分かったら納得しました。きみ、本当に偉いな!(笑)

ただこれは、セラは一度、お姉さんのことで失敗をしているせいもあると思います。
(※魔人と姉関連のあれは、ごく簡単に言ってしまえば「北風と太陽」で、セラは北風・ロイは太陽だと思ってます。アーギルシャイアの中に時折挟み込まれるシェスターの言動を聞いてると、セラの方法だと絶対救えないので……。ロイは魔人を愛したのではなく、姉も魔人も等しく照らして救ったのだと思っています)

それを踏まえ(また冒頭でミイスでの姉と親友の生活を見て)、思い改めるところもあったのでしょう。ロイという見本を知ったというか。
自分の思いを一方的に押しつけるやり方では、相手との関係が崩れてしまうことがあり、それを他ならぬロイの妹――ミイスの娘にはできないと、無意識にしろ戒めたんだろうと。

なんというかタイトルも何もかも含め、月に導かれた話だったと思いました。

 

隠しエンド

ちょっとしたオマケと後日談ですが。
ラストシーンで、セラが「貸し切り」という言葉を、エステルに告げます。何だかんだ言って、最初から最後まで一緒にいる割には、本当の意味でセラがミイス主を独占したことはないので、一日くらいセラにあげてもいいかな~という思いと、結局セラはその貴重な一日を、ミイス主を休ませるために使っちゃうんだろうなあ、というオチでした。


が。実はこれには、もう一つ隠しエンドがありまして。
セラの電話の相手は、エステルでした。実はセラは知らないことですが、なまじルシカの親友設定(恋愛相談も受けてた)のエステルに喋ったため、大変なことになりました。

エステルはあの会話だけで、何がどうなったか、二人の関係を察しました(笑) ディンガル帝国に出張した折り、官僚達に「セラとルシカが結婚したよ!」と喋り、戻ったら四巫女に告げ、四巫女はそれぞれの出先で語り……あっと言う間に大陸中に広まりました(笑)

何故かルシカの電話にはおめでとうのメッセージが吹き込まれ、当人達が知らぬ間に、結婚したという形で大陸中に知れ渡ることになりました(大抵は、ようやくだな!今更か!という反応ですが)。
まあ間違ってないというか、境界線を越える=実質婚礼の儀式でもあった気がするので、二人も特に否定しませんでした。諦めたとも言えます。

同時に、今までひっきりなしで呼び出されていたミイス主のコールが、セラに遠慮して減りました(笑) さすがに新婚さんを、あちこち呼び出すのは可哀想と思われたようです。

セラとともに境界線を越えたので、世界の方も少しずつ、彼女を「無限のソウル」ではなく「普通の一人の女性」として見てくれるようになりました、というオチです。
ここまで来るともうお伽噺……いや最初からお伽噺のつもりだけど。

 

始まりのこと

最後に始まりのことを。
このセラミイス話だけは、最初から最後まで、自分の意思だけではない色んなものが揃って書かされた感がありますが、今回の一連の企画自体から始まってた気がします。

実はリク企画後半、大人向話やろうとしたとき、悩んだことがありました。
「もしセラがリクエストで来たらどうしよう」
これだけミイス話やってて、あれだけ兄と姉はやってて……実はセラでは一度もこの手の話は書いたことがありません。

今回相手は、汎用型女主ジル(スタート地不定)と決めてもいまして。セラでリクエスト来たら、これで書くというのが公平というものです。
いやでも待ってくれよ、ミイス主の前に、よその女主が相手なの?? ダメでしょ、あまりにも可哀想だろ!! と私が悶々としました(笑)

なのでセラの場合のみ、決めてました。
1)リクエスト対象外として書かない
2)我が儘通してうちのミイス主相手で書かせてもらう

正直「セラとミイス主は、プラトニックなままでも良いかな~」などと思っていたのですが、今回の件で考えを改めました。一度どういう形であれ、ミイス主相手で書かないと、セラも書けないままになると気付いたからです。たとえ今回のリクエストで来なくても、自分のために『いつか』書いて形にしておきたいなと思いました。

でも幸いというか、セラは最後までリクエストが来ませんでした(笑) あと二時間でアンケート(リク受付)終了時に「ああ良かった、今回は来なかったなあ」と安心していたら、滑り込みでセラのコールが来まして!
リクエストしてくださった方は、古くから懇意にしてくださっていた方で、うちのミイスの妹もよく知ってくださっている方でした。あのときの「来ちゃったー!!」という感覚は、はっきり覚えています。同時に「書け」と言われているとも思いました。

実際書いてみて、タイミングが揃っていたと思いました。6月に通常SS書いて、7月に大人向けを連続で書いたから、書けた気がします。それは出来の良し悪しや、内容のボリューム=文章量などではなく、もっと単純な部分の話で。

『好きで・楽しく・書きたい物を書く』ということの期間の、最後の締めだったから書けたんだなあと。
書きたいと思える勢いと、ある程度何が書けて何が書けないのかの見極めと、どう書くかという技術面と、どの辺りの何を書いたら自分は(出来ではなく精神的に)満足するのかが、全部揃ってた気がします。

 

そういう意味で、何というか……本当に様々な縁を感じた話でした。
なかなか、こういう風に「揃う」ことはないのと、おそらくこれはミイス話の一つのエンディング、締めとなる話でもある気がするので、長々と語らせて頂きました。

(※まるで最終回のような語りですが、本編はまだ完結してないので書く予定です……。一応アンティノ研究所での、魔人組(兄姉)vs主人公組(弟妹)の決戦が、最終話のつもりです。
それこそセラが北風、ロイが太陽、魔人と姉の構造、そこに無限の可能性が力業で突っ込んでいくような話にできたらいいなーと)



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