MEMO

CMS(コンテンツ管理システム)とは 編集

最近Twitter上で、個人サイト全盛期時代や、ウェブ作成技術についての話題が増えた気がします。

Pixivの運営状況の影響ももちろんあるとは思うのですが。
個人的には、ウェブ業界がHTML5&CSS3(SCSS)+Jquery…の方向で割りと落ち着いてきてること(技術的安定期)、SNS的交流ツールだけではなく、自己管理できる表現の場も持ちたい(創作表現における潜在的なニーズ)が再び高まってるからでは……という気もしています。

※Pixivが、個人サイトが、という二者択一じゃなくて、平易で良質なサービスがあるなら「両方持ちたくなる」ような気がするんですよね。
今回外部にデータを依存することの不安も実感したから、自分で確保する手段に再び光が当たってるという感じなんじゃないかなあと。

でも、いざ個人サイトといったって、今はどういう形になってるの?
私もなんとなくでしか答えられないんですが(笑)、たぶん現在の作業現場で、個人サイト(事業主向け)などにサイト作れと言われたら、WordPressでつくるのが主流かな、という気がしてます。作成者と、使用者が必ずしも一緒ではない、という状況が増えることを考えると、そうならざる得ないような……。

現在うちのサイトはWordPressと同じくCMSの位置づけとなる「freo」で作成しているのですが、そういえば個人サイト全盛期→freo移行までの流れは、具体的に記したことがなかったなあと。

なので、それについて書いてみました。
以下、ある個人サイトが、HTMLタグ打ちから、コンテンツ管理システムに移った流れ。
結構長いです。

たぶんサイト設営・管理者向けの記事です。ご了承の上どうぞ。

* * *

改めて。当サイトのコンテンツは、全てfreoで作っています。

★本体はfreo公式サイト様で配布されています(別窓表示)
※一昨日新しいバージョン出ました!!

freoとは何か?というと、PHPプログラムで動作するサイト作成管理システムです。
……といってもこれだと分かりにくいと思うので、そもそもfreoを導入した経緯から、記してみたいと思います。

1~3:freoを導入するまでの歩み

:サイト開設初期は、自分でHTMLタグ記述→FTTPでアップロードして、公開していました

:日記ツールとしてブログが登場。日記や呟きといった簡易的文章のメモ用に、ブログを利用し始めました。
 小説など創作コンテンツはHTMLタグで手製+メモ用にブログ(外部レンタルサービス利用) といった感じです。

:ブログを外部レンタルサービスから、Web Diary ProfessionalというCGIフリープログラムに変えました。  

 Web Diary Professionalは、ブログ記事出力機能を持ったCGIです。
 自分でサイト内に設置することで、自サイト内のアドレスが適用され(http://bluewind.daynight.jp/diary.cgi といった具合)、サイトのコンテンツとして扱えます。

 プログラムといっても、特に自分で記述に手を加える必要はなく(サイトアドレス=設置場所などの設定は必要)、プログラム丸ごとサーバにアップロードするだけで、他社のレンタルブログの管理画面のように、ウェブ画面上で直に文字入力や画像表示を選択でき、そのままカテゴリー分類・出力表示までしてくれます。

 自分でタグ打ちしたり、リンク設定をする必要がないので、一度設置してしまえば、基本は記事を書いて投稿するだけでOKです。
 
 このWeb Diary Professional(以下WDP)は、製作者ないとさんが、「Web Liberty」で配布してくれていたフリーCGIでした。
 フリーという名がついてますが本当に高機能で、他社のレンタルブログにある機能はほぼ備わってました。さらにCSSで自由にデザインを変えられるカスタマイズのしやすさも魅力でした。
 結構たくさんの創作サイトさんが使っていた気がします。

4:freoを導入

 そのWDP製作者のないとさんが、WDPの上位バージョンとして「freo」を公開されました。

 Web Diary ProfessionalはCGIでしたが、freoはPHP言語で作成されたフリープログラムです。WDPを元にしているだけあり、管理画面などはWDPと似たインターフェイスで、ブログ記事出力機能もほぼ同じようにできます。

 ではfreoは何が追加されたかというと、ブログの『記事』だけではなく、サイトのトップ、案内、作品置場、リンクページなど全てのページが、ウェブ上で作成・出力できるようになりました

 あくまでブログの『記事』というデータだけを出力していたCGIのWDPに対し、freoはPHP言語でHTMLを生成する機能を持っているので、管理画面での入力だけで、HTMLページ=ウェブサイト全体を作成できるようになっています。リンクや階層設定も自動でしてくれます。

 つまりfreoを導入すると、実質freoの管理画面だけで、htmlサイト構築ができるということになります。

 また、ファイルのアップロード機能もあるので、「PC内の画像を選択するだけで、ウェブ上に(正確にはサーバ内に置かれている自分のfreoのデータベース内にアップロードされ)表示させる」「PC内にあるテキストデータを指定すれば、そのまま小説としてアップできる」といった使い方もできます。入力画面に文字を打ち込む必要さえなかったりします。

こうした一つのプログラム等で、ウェブサイトを作成したりデータベースとして管理するシステムは、コンテンツ管理システム(Content Management System)、CMSと呼ばれています。CMSで有名なものとしては、他にWordPressなどがあります。

 極論を言うとfreoなどのCMSを設置すれば、HTMLタグを知らなくてもウェブページが作れるし、テンプレート配布サイト様もいくつかあるので、テンプレートを丸ごと借りればレイアウト言語=CSSの知識も要らないかもです。生成はすべてプログラムでやってくれるので。
(実際問題として、設定などを自分でする必要はあるので、知識がゼロだと難しいと思うのですが)

 本当に初心者向けにざっくり言うなら、freoはイメージ的には『ブログを書くような形式で、ウェブページ製作・リンク付け・構造化など全てをやってくれるウェブサイト作成ソフト』かもしれないです。

締めとして

 結局何が言いたかったかというと、freo(に限らず他のCMSでも)を利用すると、サイト作成が大変便利です、ということ。

 たぶん今だと個人の創作サイトを知らない(ホームページ作成をやったことがない)世代も多いでしょうし、昔サイトを持っていた方でも、ウェブサイトはタグの記述が大変・あるいは新要素や廃止されたタグなどあるし、現在のHTMLの書き方がわからないと忌避している方もいるような気がしたので(なんというかTwitterの話題がそういう感じのものも多かったので)。

 でも現在の個人サイトは、たぶんタグ入力形式ではない方が、圧倒的に多いと思います(サービス提供側の技術開発レベルなら必須だけど、サービス利用者=サイト公開者にはその知識はなくても平気な形式というか)
 もし個人サイトの作成が、今でもHTMLタグを自分で打ち込んで一枚一枚ページを作っていく方法だと思っているなら、こういうツールが無償である、ということをお伝えしたかったので。 

 またfreoも、CMS代表例のWordPressも、プログラムは基本的には無料でDLして使用することができます(WordPressは法人は別規定、有料テンプレートもあるようですが)。
『自分でサーバ上に設置・設定する』というハードルはありますが、使いこなせれば本当に便利だと思うので、もし興味がありましたら、公式サイト様などをのぞいてみてください。

 こういうツールを使うことで、個人が気軽に、自分自身のペースや好みに応じて作品を発表する場が、また以前のようにたくさんできればいいなと思います。

 

余談:

 上記のように私がfreoを使っているのは、たまたま縁があったというか、自分のサイト作成がそのままツール登場・変遷の時代と重なったからです。本当に綺麗に時代をなぞった気がする……。

 ブログやCGIを使ってみて感じましたが、サイト作成が自分でタグ入力する形ではなくなっていくだろうとは感じていました。それくらい以前の形は労力が大きいと思うのです。CMSのような新しいシステム利用、あるいはSNSのような違う形の交流方法に変わっていくだろうなと。

 ジャンル内の個人サイトさんが徐々にPixiv、Twitterに移行したのが2010~2012年あたりだと思います。この辺からSNS文化が主流となって個人サイトは一気に減った気がします。
 私はあまり自分がSNSに向いていると思えなかったことと、「何かを創ること」それ自体は好きだったし、こういう趣味の場を一つ持っていたいとは思っていたので、ブログサイト=CMSへ移行を決意していました。

 ちなみに当時既にCMSとしてWordPressが有名だったので(まだ日本語には不対応なことも多かった気がするけど)、そちらも候補にあがりました。
 でも、実に単純な理由でWordPressは没になりました。
 ……私の利用しているサーバのプランだと規約上、WordPressが設置不可、だったのです(笑・今でも置けない)

(正確に言うとMySQLが利用できないのです。WordPressはデータベース管理にMySQLを使っているので。SQLiteなら可なので、自分でWordPressをSQLiteに変換すれば設置はできるのですが、結構WordPressは重いと聞いているのであまりメリットないのと、文字ばかりのうちのようなサイトにWordPressの高機能はいらないだろうと思ったので……。容量でさえあまり気味なのに(笑)

 ちなみに規約では、最初はPHPの設置も不可でした。だからfreoも置けなかったのです。
 CGIで代行していたのですが、規約が変更され2012年から私が利用しているプランでもPHPが解禁になったので、本当に嬉しかったことを覚えています。
 おそらく時代の流れとして、2010~2012その辺りが、ウェブ現場としては静的なウェブ作成から動的なウェブ作成へ、創作交流の場も同じように動的な場所SNSへ、という過渡期だったのだという気がしています。

 この規約変更がなくて、freoが駄目なままだったら、たぶんそのときサイトを閉鎖していたかもしれません。
 そういう意味でも、縁が深いというか、私にとっては思い入れや感慨深さがあるツールなのです。



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