『姉への手紙』のこと
おまけ話を追加しました。→『姉への手紙』
黒髪の才女とリンクしている話ですが、単体でも読めます。
個人的にはこの二つ合わせて、セラ姉のお誕生日祝いのつもりでした。
以下内容について語ってます。
というか、先日の裏話と合わせて、ミイス話の設定について長々と語ってます。
一つ宿題が終わったので。
『姉への手紙』について
サイト内の話をつなぐ橋の役割なので、自サイトのSSを読んでくださってると既視感があるかも。
中の設定は、全て既出済みのものです。
順序としては、シェスター『黒髪の才女』→セラ『姉への手紙』→ロイ(ルシカ)『remenberance』→アーギル『蝶の目覚め』→セラ『雨の休暇・秘密』
些細だけど重要な欠片という位置づけのつもりで、黒髪の才女同様いつか書きたいと思っていたエピソードでした。
誰がミイスの場所を教えたか・その2
以下は当サイトの裏設定というか、勝手な妄想です。
温めていたネタがようやく書けて解禁できたので、語らせてください(笑)
サイト開設当初に書いた『雨の休暇・秘密』という話の中で、セラが「姉には手紙で、お前がミイスという誰も知らないような辺境から出てきた修行中の神官だとは伝えた」と言っていますが、それがこの手紙のことでした。
そしてセラが、ミイスの(場所的な)記述をしたのは、あのSS内で書いた部分だけです。
・エンシャント近くで出会ったときには、村を出たばかりだそうで
・ミイスという森の奥にある辺境の村の出だそうだ
後にも先にも、この二カ所だけ。
この続きにはミイスのことは書かず、またこの後、姉にあてた手紙にも『神器の守護者』や『隠れ里』という言葉は一切使ってはいない、という設定です。
またシェスターは、ミイスが施文院の分派だということを知っています。
その封印術は、おそらく施文院の祖でもある封士レオニックが用いたようなものではないか=禁断の聖杯を祠に封印したようなもの……とまで漠然と当たりをつけていました。
(※知識があると推測ができてしまう。そしてそれだけの知識ある人材と思います。炎の宝剣のことを、古代の魔道具専門家であるエストの他に、アカデミー卒のザギヴ、ゾフォルが知っていたので、おそらく同じアカデミーの首席卒のシェスターもそうした古代の道具や秘術について、同等程度の知識はあるだろうと)
だから「ミイスが闇の神器を封印する施文院派の神官ならば、おそらく祠のような建物があるだろう」とまで予測できてました……皮肉なことに、ミイスのあの塔は、封印であると同時に目印にもなる。
・エンシャント近く、森の奥、祠のような建物
これをヒントにアーギルシャイアはミイスを探し出したという設定でした。
情報の連鎖
そもそも、この話というか妄想のきっかけが、アーギルシャイアの「この女の記憶を手繰っていくと」という台詞でした。
これは文字通り、記憶(=知識)を糸のように手繰ってのことではないか?
シェスターは、ミイスの場所をピンポイントで知っていたわけではなく、手繰る=情報を芋づる式に繋げて分かる形で知っていたのでは、と。
アーギルシャイアが読んだシェスターの記憶には、当然セラとの記憶も含まれる、と思います。セラがロイの相棒だったことも無関係ではなかったろう。
だからセラが「ミイスの場所を教えたわけではないが、ヒントくらいは与えてしまった」という想像を温め続けていたのですが――そのヒントは『シェスターだからこそ分かった(他の人では分からなかった)』であって欲しい、という浪漫も同時に抱いてました(笑)
それでもミイスの名を出してしまったのは、ヒントとして致命的ですが。
(創作メタになりますが、何かしらの固有名詞みたいなものがないと『セラが自分が情報を漏らしたことにも気づけない』ので、作成上あえて出しました)
具体的な神器の情報は知らず、ミイスという名にそれほどの意味があるとも思ってなかった状態で、セラは一番自分が気安く心許せる相手だからこそ話した。
その価値や意味は、シェスターがアカデミーの首席卒クラスの知識と頭脳を持っていたから分かった(普通の学生レベルだったら分からなかった些細な情報)。
セラにしてみれば「相手が悪すぎた」としか言いようのない状態です(楽しい……)
セラは悪くないです。ロイの許可も取ってるし。
個人的な願望ですが、セラがミイスの守護者と縁を持っていたこと、魔人がシェスターを乗っ取ったことだけで成立するのではなく、シェスター自身の特性というか、彼女自身の設定もそこに一役買っていて欲しかったのです。
姉への手紙・蛇足
この手紙を受け取ったとき、シェスターはアカデミー最終学年です。
卒業後、アンティノ研究所に勤めて一年くらいで身体を乗っ取られる、と考えてます。
勝手な設定ですが、シェスターはアンティノ研究所に入ってからは監禁・監視状態におかれて、セラとの手紙のやりとりは満足にできなくなります(シェスターの方で返信をあまり出さなくなる)。
だから実質、セラがロイのことを書いた手紙は、シェスターが最終学年の間の3~4通ほどかな。意外と少ない。
研究所に勤め出した頃からシェスターの手紙の内容が変わり、心配をしたセラは、ロイがミイス帰郷後、アンティノ研究所のことを調べます。
それとほぼ入れ違いで、シェスターは身体を乗っ取られて、研究所を脱走します。
一人アンティノ研究所のことを調べ、姉が魔人に乗っ取られたことを知ったセラは、ロイと分かれて半年後にミイスを訪れる、という流れです。
もう一つ。
姉に会いたいというロイに「そのうち」と答えたセラですが、実はセラ自身も、長らく姉に会ってません。
手紙こそ出しているものの、アカデミーに立ち寄って姉に面会をするようなことは、ほとんどしてなかった……という設定です。互いに違う道を進んでいることを実感させられるので、心理的に会いづらかった状態です(だから手紙のやりとり)
そのまま姉は研究所に勤め、上記の状態となりました。
アーギルシャイアを追いかけているセラですが、実はずっと『姉』に会えてないままです。
だから「姉を取り戻す」の言葉は、単純に魔人から姉を取り戻す、だけではないです。
もう少し重い。
――以上、勝手な妄想でした!
あくまで私の妄想です(笑)こういう話を脳内でこしらえてます、ということで。
過去話にはあと二つ宿題が残ってて、ロイとセラの出会い編『縁路岐路』と、セラのアンティノ研究所調べ&アーギル遭遇『赤い爪月』という話があるのですが、それが上記の設定を反映したものの予定です。
書けたら書きたいですが、書けるだろうか。