暗黒ディミトリ
学生時代の同窓会の提案のとき、ディミトリが「立場が変わろうと、俺は俺のままだ」って言ってて、ドゥドゥーが「5年後はどうですか?」って提案してるんだよね。
周到な伏線というか……意味に気づいたら泣くよね……。
というわけで、暗黒ディミトリに対する、ひたすらの呟き(笑)
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なんというかディミトリは、どっちが本性とかじゃなく、昔の彼も今の彼もどっちもディミトリというか、トラウマからの解離性人格障害っぽく見えることがあるんだよなあ。
いや、ディミトリの凶暴性などで示唆されるのが……非人間的な要素が強いので(※故意にそういう表現を用いてると思うので)。
あと一部の11月頃から「頭痛がする」とか「夜まで起きている」とか言っていたから。
※解離性人格障害=二重人格などの場合(二重ですまないことのほうが多い気がする)、普通もう一つの人格は覚えてないものなので、だから正確にはディミトリのこれは違うのですが……便宜上、こう表現しています。
ディミトリの設定は最初から割と「あれ?」って違和感を持つものが多かったので。
「本心を隠している・裏の顔がある」というよりは、なんというか表現的には「もう一人居る」っぽい感じというか。
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帝国に続々王国の貴族家が恭順を示す中、公国に対抗してるのが、フラルダリウス、ゴーティエ、カロン、ガラテア家っていうのに、先生は笑うというか誇らしいし、本当にディミトリはやさぐれてる場合ではない。
※カロン、ガラテアは、立場上は新帝国派でも旧王国派でもない『中立』というのが、のち台詞内で示されました。
カロンはその家の特質上(調停役を負う)、ガラテアは家の起源と経済的な理由からなのかな……。
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「5年がかりで捜し出した」とぼやくフェリクスに対して、5年ディミトリが雲隠れしていた(その間やってたことは、死体の山を築くことだった)のは、『全てを奪われ、死者扱いされてた』からじゃなく『誰が敵か味方かさえも、信じきれなくなっていた』ってことだよな…
普通だったら、真っ先にフラルダリウス家あたりに駆け込むでしょ…(現にギルベルトはそうしてる)。
世界情勢が変われば、友情なんて吹き飛ぶかもだけど、学校で共に過ごした戦友さえ信じられなかったのか。
… まあ義理の姉弟で初恋の君に、あれだけ手ひどい仕打ちされたら、当然かもだけど。
「我々は、あなたの敵ではないのです」に「人を陥れる時の常套句」って返したあたりもさ…
でもディミトリ、幼馴染や旧友たちは5年(フェルディアの変後からだから4年くらい?)戦ってんだぞ…誰を信じて何のために戦ってたと思うんだよ。信じろよ!(笑)
でも正直、ここまでの人間不信が、ダスカーの悲劇から続く策略の結果だけとは思えないんだけど。
フェルディアで何があったのか、あるいはディミトリの秘密というかが気になる…いや知るのが怖いから知りたくない…
けど、やっぱり殿下が目を覚ますためには、避けては通れない道なんだろうか(笑)
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ギルベルトの「辿り着いてしまった」「深い憎悪と孤独の中に身を置き過ぎた」
フェリクスの「人をころすのは上手くなったようだが、代わりに人の心を失った」が名言すぎて。
けど酷だけど、殿下はいずれ陛下なんだよ。
生き延びたなら、人の心を失ってる場合でも、私怨に囚われてる暇もないんだよ!!
死者の顔が脳裏に残ってるなら、抱くのは復讐心じゃなく、王族の矜持と信念だよ。
背負うのは、死者の恨みじゃなく、戦ってる臣下や生きてる民の明日だ。
本当にしっかりしてくれ…。 何のためにドゥドゥーが命を賭したと思ってるんだ…今の君を見たら泣くよ。
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伏線といえば『殿下は馬鹿力』と他キャラがさり気なく言ってたけど、これ今思えば「素手でも人の首をへし折れる」って意味だったんだなって…。
裁縫の針を曲げるならまだしも、鋏や剣なども曲げてしまうほどの膂力は人間離れしてるよね…
これもディミトリの負の設定の一つだったのかも。
その手口とはどれも残忍で凄惨、人の手によるものとは思えない…ってギルベルトが言っていたけど、たぶん…獣のやり方に近かったのかもなあって。
それを辿って「辿り着いてしまった」ときの絶望や暗澹とした気持ちを思うと、この台詞回しと設定は、本当によくできてる……。
しかも「大修道院の中に残っていた帝国兵の死体は弔っておいた」
…つまりディミトリは埋葬さえせずに放置していた(自分のことがバレないよう隠匿処理さえしなかった)ってことで…
本当にギルベルトの苦悩も皺も白髪も増えるよ。
殿下は見つけたかったけど、こんな形で発見したくなかったろうに。