ロセンの鐘を鳴らせ
- 2012-12-20
- イベント
【クロイス邸】
クリュセイス:
主人公…
アンティノ:
主人公か、ちょうどいい。
今、ロセンの潜入作戦について説明している。お前も聞いておけ。
さて、先日の戦いでロセン王国は
カルラ率いる東方攻略軍に敗れた。
噂によると、
次はこのリベルダムを攻略するための準備を行っているらしい。
そこでだ。我々はカルラ軍のリベルダム攻略の詳細をつかむべく
その作戦草案を奪う。
カルラ軍の作戦がつかめれば、
そのスキをついて、カルラを討つことも可能だ。
仮に敵に草案の奪取を覚えられても、
その時は敵も作戦に修正を加えねばならんだろう。
その間、我々は次の手はずを整える時間が稼げるというわけだ。
良策だろう、クリュセイス?
クリュセイス:
…わかりました。その作戦でいきましょう。
で、具体的な段取りは?
アンティノ:
部隊をふたつにわける。
まず1部隊が単独でロセンに潜入
城門を開き、本隊を引き入れる。
先に潜入した部隊は陽動部隊となり、ディンガル兵をひきつける。
その間に本隊が草案を奪うのだ。
そこでだ、主人公。
お前の任務だが…
お前には、先に単独でロセンに潜入してもらう。
クリュセイス:
なんですって?
アンティノ:
むろん、大きな危険をともなうが、
この役目を任せることができるのは
知恵も勇気も優れた者に限られる。
主人公。お前なら果たせると思うが…。
クリュセイス:
………………。
アンティノ:
くっくっく、そうか!
やってくれるか、主人公。
クリュセイス:
我々の今後を左右する重大な任務です。
…健闘を祈ります。
アンティノ:
よし、聞いてのとおりだ。
この作戦が成功すればロセン復興の日も近いぞ!
すぐ準備にとりかかるのだ!!
〔 主人公出て行く。アンティノ、クリュセイスを見る 〕
アンティノ:
どうした? 浮かない顔だな。
ロティの…お前の父の敵を討つため
わざわざ、奴にあの任務を与えたのだ。
この任務なら、必ず死ぬ。
そして、我らの目的の達成も近づく。
奴はロセン解放の英雄として死ぬのだ。
もったいないくらいではないか。
クリュセイス:
…確かに、そうですわね。
父の仇を討つことができるのは、うれしいですわ。
しかし、これはリベルダムの未来がかかった大事。
私情で戦士を死地へ追いやる真似は、今後、認めません。
よろしくて、アンティノ・マモン。
あなたが、父の親友でも、市民でも特別扱いはしません。
アンティノ:
なるほど、立派な心がけだ。公正な指揮官、というわけだ。
肝に銘じよう、クリュセイス。
まあ、ロティならこう言うだろうがね。
クリュセイス、なぜ怒るのだね?
お前のためを思ってしたことだよ、と。
クリュセイス:
…父の死後、少しずつ、
お父様のことがわたくしにもわかってきました。
お父様が亡くなる前のおとなしくて純情なわたくしなら、
気づきもしないようなことも、たくさん…。
〔 クリュセイスも出て行く 〕
アンティノ:
…そして、ロティがそんな奴だったと認められるようになったのも、
あ奴のおかげだというのに気づいているかな?
…気づいているな。
意識的にではないにせよ、な。
小娘というものはずるいものだからな。
主人公は、あの娘の支え…。
だから、両方に消えてもらわなくちゃいかん。
だんだん賢くなっていくあの娘に
私がロティの偽善にがまんできずに、毒殺したのを知られる前に。
【ロセン広場】
主人公:
(…静かすぎる、
まさか…まちぶせ…?)
〔 カルラ・ディンガル兵士登場 〕
カルラ:
いらっしゃーい。待ってたよん、
罠にかかったドブネズミちゃん。
死ぬ7分前の気分ってどんな感じ?
ひっさしぶりー!
主人公、元気そうじゃん?
会いたかったよー! でもさ……
あたしたちの関係もこ・こ・ま・で?
別れは、いつも悲しいものね。
てなわけで、死んじゃってちょうだい?
そうそう、外であんたの合図を待っている連中のことなら
心配しないでいいから。
あんたたちを処分したあと、おびき寄せて、だまし討ち。
ちゃ~んと地獄に送ってあげるよ。
逃げてもムダムダ 町中、包囲してっから。
〔 主人公、逃げ出す 〕
ディンガル仕官:
ハハハ! バカめ。すべての門は
我々が押さえたと言っているだろうが!
いったいどこへ逃げるつもりだ!!
〔 カルラ、仕官を殴り飛ばす 〕
カルラ:
わっかんないかなー
主人公は鐘楼に向かったのよ。
門に近くにあったでしょ。デカイのが。
あの鐘を鳴らして外にいるお仲間に異変を伝えるつもりなのよ。
フフ、こういう絶体絶命の状況で最善の策を思いつく機転、
あきらめの悪さ…結構スキだよ。
ヤツらに鐘を鳴らさせるな!
最高の敵には最高のもてなしを!
捕まえたら、遠慮なく斬り捨てよ!
【鐘楼内】
〔 主人公鐘を鳴らす。カルラが追いついて鎌を構える 〕
【門外】
解放軍同志:
街の中が急に騒がしくなってきたぞ。
どうやら、うまくいったようだ。
元商人の解放軍同志:
この機会を逃してはいけません。
すぐ突入しましょう! クリュセイス様!
〔 鐘が鳴る 〕
若い解放軍同志:
なんだ、あの鐘の音は?
たしか、突入の合図は…
クリュセイス:
…作戦は失敗です! 撤退します!!
あれは、主人公が作戦の失敗を伝えているのです!
退きます!!
解放軍同志:
クリュセイス様、なぜ、そのように?
同志主人公は緊急事態で合図を変更したのやも…。
クリュセイス:
緊急事態ということは
敵にこちらの動きが知られてしまった可能性が大きいわ。
今、突入しても、被害を出すだけです。
急いで引き返しましょう。
おそらく、命がけで知らせてくれたのですから。
元商人の解放軍同志:
ならば、なおのこと見殺しにはできません!
突入して同志主人公を
救い出しましょう! クリュセイス様!
クリュセイス:
…突入しても死ぬだけよ。
命令です。…退きます。
解放軍同志:
…はっ、わかりました。
クリュセイス:
…生きて…帰って。主人公。
【鐘楼内】
カルラ:
くすっ。連中は逃げ切れるみたいだよ。
機転きくじゃん?
ま、それも、あたしが追っ手を差し向けなければ、だけどね?
しっかし、よくここまで登ってきたよね。
その情熱であたしにアタックしてくれればよかったのに。
〔 アイリーン登場 〕
アイリーン:
…主人公。
…元気そうね、主人公。
こんな所で会うとは
思わなかったけど…
カルラ:
な~んだ、知り合いだったんだー。
あたしが紹介しようと思ってたのになー。
アイリーン、いつもマジメだけど。
今日はいつも以上にマジメーな目つきじゃん。
こりゃ、ますます絶体絶命度が上がっちゃいましたなぁ、 くせ者ちゃん?
そろそろ、マジ話いこうじゃない?
あたしの部下になんない?
そしたら、命は助けてあげる。
あんたみたいな、かわいくて度胸のあるコ
殺しちゃうなんてもったいないもんね。
外の連中も見逃してあげるわ。
あんな奴ら、あんたに比べたら ま、カスだかんね。
答えが、いいえなら あんたも外の連中も殺すだけ。
さて、返事はどう? くせ者ちゃん。
★断る!を選ぶ
カルラ:
やれやれ、潔いのか、あきらめがよすぎるのか。
義に篤いのか、カッコつけなのか。
ま、あたしに言わせればバカ、ってことよね。
生き延びられたのに死を選ぶなんて。
〔 外からロープが投げ渡される。城壁上にノエルとレイヴンの姿 〕
〔 主人公ロープを伝って鐘楼を脱出する 〕
カルラ:
うわー、主人公もやるけど小さな勇者様もやるよねー。
とっさにあっこまで考えて助けたんだ。
…だっけっどっ、あたしに挑むにはまだまだ実力が足りないわ。
ね、アイリーン?
あー、わかってると思うけどぉ
これって、あんたのことね。アイリーン?
あたしがロープ切ろうとしたらさ、
あんた、後ろからあたしに襲いかかろうとしたでしょ。
自分が勝てるとは思ってはいなかった。
ただ、時間くらいなら稼げると思ってた…くすっ、そうでしょ?
甘い、甘い、甘い、甘い!
あたしの性格、理解してないっしょ?
あたしは、まず、ロープを切って
その後、呆然とするか逆上したあんたをゆうゆうと斬って捨てるわ。
力があれば何をやってもいい。
裏返せば、力が足りないなら黙ってろってこと。わかったぁ?
今回、あたしはあんたとあのコたちを両方、殺すこともできた。
だけど、そうしなかった。
だって、もったいないんだもん。アイリーンもあのコも、さ。
そんなあたしの気持ち、理解してよ。
強くなってさ、あたしの寝首くらいはかけるようになってほしなーってさ。
あと、捨て身の攻撃っていうの?
あれ、あんた、もう禁止ね。
自棄になれば判断力が狂うわ。
それに、捨て身の攻撃って、掛け値なしに一生で1回だけのものよ。
アイリーン:
………………。
カルラ:
命より大切なものなんてないの。
守りたいものがあるなら
なおさら、ね。
【リベルダム入り口】
ノエル:
主人公さんがご無事でよかったです。
偶然主人公さんたちの動きを知って、
レイヴンに無理を聞いてもらったんです。
レイヴン:
フフ、ノエルの無理なお願いにはもう、ならされてるさ。
ただ、気をつけたほうがいいぜ。
俺たちにも聞こえてくるぐらいだ。解放軍の情報はどこかで漏れてる。
内部に裏切り者がいる可能性が高い。
行こうぜ、ノエル。
カフィンは待たせるとホント、うるさいからな。
ノエル:
すみません、主人公さん。
みんながまってるんで、わたし、行きますね。
やっぱり、主人公さんはすごいです。
解放軍の方たちも無事に戻られたようですよ。
【クロイス邸】
解放軍同志:
おお、主人公だ。主人公が帰ってきたぞ!
すごいな。町の中はカルラ軍がぎっしり詰めていたというのに、
よく無事に帰ってこれたものだ。
元商人の解放軍同志:
あんたが鳴らしてくれた鐘の音がなかったら、
俺たちは今頃、カルラ軍の餌食になって全滅していたところだ。
ありがとう!
クリュセイス:
ご苦労様でした、主人公。
あなたの機転のおかげで、
被害を最小限に食い止めることができました。
本当に、ありがとう。
みんながあなたの帰りを待っていました。
あなたは、私たち解放軍の英雄です。
ロセンの鐘の英雄、主人公。
これからも、よろしく頼みますよ。
解放軍同志:
俺たちにはロセンの鐘の英雄がついている。
カルラ軍に目にものを見せてやるぞ!
元商人の解放軍同志:
今度こそは、ロセンからディンガルのやつらを追い出してやろうぜ!
解放軍同志:
ああ!
俺たちの力をやつらに思い知らせてやろうぜ!
クリュセイス:
では、各人、持ち場に戻ってください。
事態は、いよいよ厳しくなっています。
決して、油断のないように。
〔 同志たちが出て行く 〕
クリュセイス:
本当に…、よく…無事で、戻ってきてくれました…。
ロセンに潜入する作戦が失敗したのは残念だけど、
これで、解放軍内でのあなたの立場は確立したわ。
あなたの活躍のおかげで
解放軍の結束はより堅固なものになるはずです。
あなたはロセンの鐘の英雄なのだから、
これからも解放軍の支柱となって働いてもらいます。
ロセンの復興のために。
〔 いったん会話終了。再度話しかける 〕
クリュセイス:
ご苦労様。解放軍の居心地はどう?
みんな、あなたのような存在が現れるのを待っていたんだと思うわ。
わたくしはあなたのように前線で働くことはできないもの。
そんなことをしても、迷惑になるわ。
みんな、どこかに不安を抱えているわ。
だから、あなたが裏切ったと思ったとき
あのような大騒ぎになったのね。
でも、それは、みんながあなたを頼りたかったからだと思う。
みんなが…。