落ちつきない盗賊:
ここまでたどり着けるとは、少しは腕が立つらしいな。
細い目をした盗賊:
さぁて、どうだかな?
最近じゃ、仕事にあぶれて
にわか冒険者で食いつないでる奴も多いって言うぜ。
こいつらも、その口じゃねえのか?
運がいいだけのあぶれ者さ。
落ち着き内盗賊:
ならば、ひとつ腕前を試させてもらおう。
ならず者:
久しぶりに暴れられる。いくぜっ!
〔 戦闘 〕
?: なかなかやるじゃないさ。
〔 ヒルダリア登場 〕
細い目をした盗賊:
お、おかしら!
ヒルダリア:
気に入ったよ。
エステル:
誰だよ、キミ!
ならず者:
この野郎! おかしらに向かってなんて口のきき方だ!
細い目をした盗賊:
聞いて驚くなよ!このお方はな…
ワッシャー海賊、第2代頭領ヒルダリア様だ!
ヒルダリア:
お黙りっ! あんたら、引っ込んでな!
細い目をした盗賊:
へ、へい。
ヒルダリア:
聞いてのとおり、私はヒルダリア。
あんたたちの力、試させてもらったよ。
エステル:
試した!?
ヒルダリア:
…怒るのも当然ね。
確かに汚いやり方だった。その点は謝るわ。
でも、これで、あんたたちが筋金入りの冒険者だってことがわかった。
その腕を見込んで、ひとつ頼みがあるのよ。
ワッシャー海賊といえば、知る人ぞ知る海の冒険者。
洋上に恐れるものはなかったわ。
それが、近頃じゃ船を陸に上げて
朝から晩まで砦にこもりっきり。
どいつもこいつも朝っぱらから飲んだくれて…
こいつらを見れば、わかるわね?
ならず者:
おかしら、そりゃないっスよ。
俺たちだって、好きでこうしてるわけじゃねえっス。
エステル:
海賊が陸へ上がりっきり?
どうして海へ出ないの?
ヒルダリア:
大イカよ。
港近くまで姿を現して、
船をかたっぱしから沈めてしまうの。
細い目をした盗賊:
ここいらの海じゃ、ワッシャー海賊にかなう奴はいなかった。
俺たちゃ、まさしく洋上の王者だった。
ならず者:
それが、今じゃあよお~、
イカにおびえて船も出せねえ。
…これが飲まずにいられるかって。
〔 海賊の子分たち、順番に首をうなだれる 〕
ヒルダリア:
その大イカを退治してもらいたいの。
★エステル:
突然、襲いかかってきて、今度は大イカを倒せって言うの?
そんなの、ムシがよすぎだよ!
ヒルダリア:
…そうね。勝手なことを言ってるって私も思うわ。
だから、こっちもそれなりの見返りを出させてもらうわ。
細い目をした盗賊:
お、おかしら!
海賊が金を払うってんですかい?
ヒルダリア:
下がってな!
お金で払いたいのはやまやまだけど、
今言ったとおり、大イカのせいで景気が悪くってね。
だから、どうかしら?
かわりに、私たちの足…
つまり船を自由に使えるというのは?
大イカを退治してくれたら、
普通の船じゃ立ち入れない、危険な海を渡してあげるわ。
しぶきの群島、闇の門の島、古城…。
ワッシャー海賊でなきゃ渡れない島々へね。
冒険者にとっては、悪い条件じゃないと思うけど?
とにかく、よく考えてみてちょうだい。
…大イカは手強いわ。
行くよ!
〔 ヒルダリア、子分たちに声をかける 〕
落ちつきない盗賊:
へい、おかしら!
〔 海賊たち、その場から立ち去る 〕
ヒルダリア:
もし、大イカを退治する気になったら、
この先の砦に来てちょうだい。
待ってるわ。
エステル:
大イカ退治か…。
引き受けるかどうかは、主人公に任せるよ。
★ザギヴ:
1)あなたたち誰なの?
どういうつもり!?
2)試した!?
海賊が陸に上がりっきりですって?
いったい、何があったの?
ずいぶん、ムシがいい話ね。
突然、斬りかかられて、
そんな話に乗れると思う?
大イカ退治の依頼、引き受けるかどうかは、
主人公に任せるわ。
ヒルダリア:
来てくれると思っていたわ。
大イカを退治してくれるのね?
もう準備はできているのかしら?
もう、作戦は立ててあるの。聞いて。
海の中で戦ってもこっちに勝ち目はないわ。
だから、大イカを港におびき寄せる。
海面で音を立てれば、すぐに寄ってくるはず。
そこまでは、私らでやるわ。
大イカが港に上がってきたら
あとは、あんたたちの仕事よ。
大イカの息の根を止めてちょうだい。
〔 ヒルダリア、腕をふるって、合図をする〕
落ちつきない盗賊:
お呼びっスか?
ヒルダリア:
今すぐ、大イカを港におびき寄せな。
落ち着きない盗賊:
え、ええっ?
どうしてまた、そんな…。
ヒルダリア:
大イカを退治するに決まってんだろ!
落ちつきない盗賊:
あの化け物をですかい!?
ヒルダリア:
いいから、さっさと大イカを港に誘い出すんだよ!
あんたひとりで無理なら、他の飲んだくれどもをたたき起こしな!
落ち着きない盗賊:
へ、へい!
ヒルダリア:
ワッシャー海賊の命運がかかってるんだ。失敗は許さないよ!
大丈夫、あいつらだって海の男さ。
大イカをおびき出すくらいのことは簡単にやってのけるよ。
…そういや、まだ名前を聞いてなかったね。
教えてもらえる?
〔 主人公、教える 〕
ヒルダリア:
うまくいったら、約束通り船に乗せてあげるわ、主人公。
遅いね…。
落ちつきない盗賊:
お、おかしら!
大イカが…大イカが現れたッス!
ヒルダリア:
主人公、行くよ!
〔 大イカ登場 〕
ヒルダリア:
さあ、頼んだよ、主人公!
〔 大イカ退治 〕
眉毛の太いならず者:
やった! これでまた海に出られるぜ!
ヒルダリア:
私の目に狂いはなかった。さすがだね、主人公。
さあ、早いとこ船を港に戻しな。
頬に傷のあるならず者:
へい、おかしら!
【 ワッシャーの砦 ヒルダリアの部屋 】
ヒルダリア:
助かったわ、主人公。
おかげで、また船を出せる。秘宝探しに出かけられるわ。
私らは、海賊って言っても
まっとうな仕事をしている人間から金を巻き上げたりはしてないわ。
言ってみれば、海の冒険者ね。
人知れず眠っている宝を求めて島々をめぐっているの。
かつて海賊が隠した財宝とかをさ…。
約束どおり、これからは、あんたたちのためにも船を出してあげるわ。
埠頭にいる船番に頼んでちょうだい。
いつでも好きな場所へ連れていってあげる。
しぶきの群島、古城、闇の門の島について知りたければ、
また、私の所に来て。
今度、話してあげるわ。